1 伊方町について

四国の最西端、日本で一番細長い佐田岬半島(半島の長さは約50㎞)に位置する伊方町。

令和3年7月現在、約8,800人が伊方町に住んでいます。

南の宇和海側はなだらかな白砂の連なる海岸、北の瀬戸内海側はリアス式海岸を形成しており、年間平均気温16℃の温暖な海洋性気候に恵まれた伊方町では、段々畑で温州みかん、清見タンゴール、デコポンなどの果樹栽培が盛んです。天然の好漁場にも恵まれ、高級魚の一本釣りや採介藻、底引き網漁業が主に営まれ美しい自然の中に人々の暮らしが息づいています。

また、伊方町では、お互いに助け合いながら暮らす「合力(こうろく)」と呼ばれる独自の文化を育んできました。地域の中で隣近所や地域の連帯感が薄れているといわれる今日、この「地域で支えあう」伝統が脈々と受け継がれていることが大きな特長といえます。

2 魅力化プロジェクトが目指すもの

【これまで】

 近年の三崎高校は、全国の過疎地域にある高校と同様、入学生減少による学校存続の危機にありました。伊方町内唯一の高校がなくなることは、教育環境の低下だけでなく、町の衰退にも影響することから、伊方町や地域住民とともに様々な取組みをしてきました。

令和元年度からは生徒の全国募集にも本格的に取組み、県内外から多くの生徒が入学することとなりました。

【気がついたこと】

  地元出身の生徒とともに、県内外から多くの生徒が三崎高校で学ぶこととなりました。

 そして、これまで当たり前すぎて気がつかなかった「学校の魅力」や、「地域の魅力」をあらためて認識することができました。

・ 少人数での教育

ひとりひとりが活躍できる機会が多くあります。

教職員のきめ細かい指導や関わりがあります。

・ 全国の友と学ぶ

学校近隣地域の出身生徒だけでなく、全国さまざまな地域からの出身生徒とともに学ぶことができます。

・ 豊かな自然

都会にはない自然が身近にあります。

この豊かな自然を生かし、地域おこしに取り組んでいます。

・ 人とのつながり

伊方町には、お互いに助け合いながら暮らす「合力(こうろく)」と呼ばれる独自の文化があります。学校の教職員だけでなく、地域住民とのつながりも大切にしていきます。

・ 町づくり

全国各地から生徒が入学したことは、町づくりの視点から、全国(町内外)との交流促進に大きな影響があることに気が付きました。

伊方町第2次総合計画後期基本計画の基本目標に位置付けられている「教育・スポーツ・文化」はもちろん、「移住・定住」、「産業・観光」、「住民協働・行財政」など多くの基本目標達成のために、様々な効果が期待できると考えています。

【これから】

  このプロジェクトは始まったばかりです。

 生徒の全国募集をきっかけに、全国とのつながりや何か新しいことに挑戦できそうな期待を得ることができました。今後、この期待を成果にするためには、手探りで試行錯誤しながらこのプロジェクトを進めていくしかありません。これからのまちづくりのために、学校、行政、地域住民とともに、三崎高校や地域の魅力化を推進していきます。